raisinpanの日記

読んだ本とか、思ったこととか。

【読んだ】田舎暮らしに殺されない法 (朝日文庫)

 1943年生まれの著者が、自分より少し年下の団塊の世代に向けて諭すようなトーンで書いており、無駄に説教臭いです。 とは言え、本書の論旨自体はまっとうなものだと思います。

田舎暮らしに殺されない法 (朝日文庫)

田舎暮らしに殺されない法 (朝日文庫)

 

 

都会で疲れたから田舎でゆっくり暮らしたい?ていうか都会で疲れたってそんな大した仕事してたの?もしそうなら仕事のやりがいとか人脈とか経験とか活かしてやれることあるよね?てか実際職場で自分のうだつの上がらなさに向き合わなきゃいけなかったのが辛いだけだよね?そんな奴が田舎暮らし始めたってうだつが上がらないのは変わらないよ?大体酒とかタバコとか自ら健康を害するようなことやってっから疲れるんだよ。田舎は生活環境整ってないし謎のローカルルールはあるし、余所者が入り込もうったって病むかつまはじきにされるかが関の山だよ。田舎への移住を止めますか?それとも人間やめますか?

という感じの文面で、読み始めた当初は説教臭さが鼻に付くのですが、だんだんぶっちゃけ過ぎてきて笑えてきます。写真とか映像で田舎の風景を見ると良く見えたりするものですが、それはいいように切り取っているからというのはもちろん、ちょっと見れば十分なものだったりします。例えばどこかの田舎の光景を映した30分の番組があるとして、それ以上長時間の番組を作ろうとするとどこかに粗が見えてしまうんですよね。田舎暮らしに幻想を持たないようにするには、いろんな所に旅行をするのが一番だと、旅好きの私としては思います。何時間もかけて出かけたのに、「あれ、こんだけ?」という体験や、バスに乗り損ねて何時間も待つ経験とか、そういうことをしておくのが正しい田舎との接し方だと思います。