危ない橋を渡ってきた人の言葉には重みがありますね()
- 作者: マイケル・フランゼーゼ,花塚恵
- 出版社/メーカー: ディスカヴァー・トゥエンティワン
- 発売日: 2011/05/21
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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個人的に刺さったのはマキャベリの解釈ですね。
「誰のどんな行動も、結果によって判断される」
「残酷で非情な行為を繰り返さないために、一撃でしとめるべし」
「軽い傷を負わせただけでは仕返しされる恐れがある。
攻撃するときは、復讐される心配がなくなるまで徹底して攻めるべきだ」
「ダメージは一撃で与えよ。相手の苦しみは減り、反撃もされにくい。
恩恵は少しずつ与えよ。そうすれば、ありがたみを長く味あわせられる。」
「愛されるよりも恐れられるほうが安全である。」
「領土を獲得したいなら、周辺の国を味方につけ、敵を特定するべし」
「君主に、戦う以外の目的は不要である」
と、『君主論』から多くを引用し、自らの糧にしてきた一方、「マキャベリの教えに従ってビジネスを展開し成功したマフィアは、まず間違いなく失脚する。」と語り、その理由として「恐怖心で統率された組織は、いつか必ず内部から崩壊する」と述べている。
君主に必要なのは道徳を守ることではなく、状況に応じて「善を捨てられるようになること」
「君主たる者、高潔さを一切持ち合わせていなくとも、常に高潔に見えるように振る舞うべし」
マキャベリのこうした不誠実さを、著者は非難している。マキャベリの思想は「諸刃の剣」であると述べている。
取り入れるべきものとそうでないもの、取り入れる場合にはその程度と方法について、十分注意が必要である。現実に即して綺麗事を排除するほうが突破しやすい状況は確かに存在するが、その先の組織運営に障害になってはならない。
著者は、「仕事で成功し、その成功を維持したいなら、ソロモンの教えに耳を傾けることだ」として、「箴言」を読むことを薦めているので、今後読んでみたいと思う。