raisinpanの日記

読んだ本とか、思ったこととか。

【読んだ】天才はあきらめた / 山里 良太 (朝日文庫)

なんだよ、十分天才じゃねーかと。

オードリー若林のあとがきにもそんなようなことが書かれていますが同感でした。

他の分野にはもちろん、笑いの世界にも彼以上の天才はいると思いますが、

少なくとも、ネタのほとんどを自分で作り、なんやかんやありながらも結局売れ、

現在の地位を築いているわけで、十分才覚があったと思いますね。

 

もちろん、努力や苦悩みたいなものは本書を読めば分かるわけで、

大変だったろうとも思いますが、かつての相方たちのように、

それを乗り越えられない人のほうが実際にははるかに多いわけで。

 

自叙伝的な内容なので、山ちゃんに対する理解が深まったり見る目が変わったりする方もいると思います。

そして、それは間違いなくいい方に変わると思います。

天才はあきらめた (朝日文庫)

天才はあきらめた (朝日文庫)

 

 

【読んだ】ぬかよろこび / 嬉野 雅道 (KADOKAWA / 中経出版)

 

 感想を一言で言うと、「いいネタ持ってんなーうれしー」に集約されます。

あの萩本欽一氏をして、「いるだけでいい」と言わしめた著者が経験してきた様々なエピソードが独特のタッチで語られます。

いいネタの引き出しを持っていると、それを語ることで人を惹きつけ、また新たなネタができるという好循環ができるので、そういうものを持たない私にはただ羨ましく感じられるばかりです。

ぬかよろこび

ぬかよろこび

 

 

 

【読んだ】最後の秘境 東京藝大―天才たちのカオスな日常 / 二宮 敦人 (新潮社)

 

 

今話題の(?)新潮社から刊行されている1冊です。

おそらく日本で一番入学難易度の高い大学である東京芸大では、日々どんな人がどんなことをしているのか、どんな苦労があるのか、様々なエピソードをもって語られます。

いわゆるぶっ飛んだエピソードや、1日の殆どを楽器の練習に費やすストイックさまで、いろんな角度から凄い人たちの生態を覗けるので、非常に楽しく読んでいられます。 

最後の秘境 東京藝大―天才たちのカオスな日常―

最後の秘境 東京藝大―天才たちのカオスな日常―

 

 

 

【読んだ】特殊清掃 死体と向き合った男の20年の記録 / 特掃隊長 (ディスカヴァー・トゥエンティワン)

 

 

 多少グロい話はでてきてしまうのですが、それでも読んでいて不快感が出ないのは、仕事や故人に対する著者の姿勢、ならびに著者の感性、文章力による部分が大きいと思います。

このような最期を迎えてしまう方々は、その人生のどこかで歯車が噛み合わなくなってしまった場合が多いですが、明日は我が身かもしれません。

著者もそうした思いを持ちながら仕事をしているように感じられますし、読んでいる私達にもそういう思いが湧いてきます。

一つだけ残念なのは、著名人に解説文を書かせてしまった出版社と、それを断らなかった養老孟司氏ですね。

氏のコメントにもある通り、解説文など必要のない著作です。

言語明瞭で思いの伝わる作品で、もし今後こういったことが身の回りで起きたらどうするべきか、あるいは自身の生き方、死に方などを考える契機になる本だと思います。

 

 

【読んだ】牟田口廉也 「愚将」はいかにして生み出されたのか / 広中 一成 (星海社新書)

 正直、インパール本、牟田口本は多数出ており、既にそういった本を読んだことがある方は、スルーしていいと思います。

 

一言で言うと「新しい情報がない」ということにつきます。

さほど分厚い本でもないので、これまでこの分野に触れたことがない方には、取っ掛かりにはいいと思います。ただ、もっといい本がいくつもあるので、そちらを読まれたほうがいいです。

 

失敗の本質

失敗の本質

 
インパール作戦 日本陸軍・最後の大決戦

インパール作戦 日本陸軍・最後の大決戦

 

 

【読んだ】お金と心を動かす会話術 / 浅川智仁 (かんき出版)

 やり手の営業マンが口車に乗せる手口が書かれているので、いらないものを買ってしまったり契約してしまったりしないように、敵の出方を学ぶという点で有用な本だと思います。というわけで、営業とか関係ない仕事の人も読んどいて損はないです。

「己を知り敵を知れば百戦危うからず」って言うじゃないですか。

営業職でこれから頑張っていこうという方にも、いい参考書になるはずです。

 

 

いずれにしても、買ってみたらいいんじゃないですか?

お金と心を動かす会話術

お金と心を動かす会話術

 

 

【読んだ】陰謀の日本中世史 / 呉座勇一 (角川新書)

わたくし、あまり歴史には詳しくなく、登場人物の中には存じ上げない方も各所に出てくるので、本編の内容をきちんと咀嚼できてる気はしないのですが、とにかく終章だけでもかなり刺さりますし、そこだけでも読んでいただきたいです。

 

終章では、因果関係の特徴がまとめられていて、因果関係の単純明快過ぎる説明、結果から逆行して原因を引き出す、挙証責任の転嫁(悪魔の証明)といった因子が挙げられます。

現代社会でも思い当たる節が多すぎます。

根拠薄弱で無理筋な論に固執するのはその人だけの問題で済めばまだしも、「フクシマには人が住めない」みたいな特定の属性の人々に対する呪詛、誹謗中傷につながると極めてタチが悪いので、なんとか悔い改めてもらいたいものですが、なかなかそうはいかないものなんですよね...

何か新しい説に触れたときには、上記のポイントで何か引っ掛かるところがないかを確認し、その説が信頼に足るものがどうかを慎重に判断したいものです。

 

陰謀の日本中世史 (角川新書)

陰謀の日本中世史 (角川新書)