現代将棋界の名伯楽の一人、石田和雄九段の本です。
将棋との出会いや、先輩、後輩、師匠、弟子とのエピソードが多数出てきます。
石田九段は独特の語り口で人気ですが、そのテイストを文章に起こすのはどうやら難しかったようで、そういうのを期待すると少しガッカリする面もあるのかもしれませんが、逆に言えば普段とは違った一面が楽しめます。
石田門下で最初にプロになった勝又六段は将棋界有数のエッセイストでもありますが、石田師匠はやはり喋ってナンボの気もします。
とは言え、今をときめく高見叡王や佐々木勇気六段、あるいは将来を嘱望されながらも病との闘いを余儀なくされた天野元奨励会三段など、個性的かつ魅力的な人物が多数登場するので、一読の価値はあると思います。