タイトルと抜粋された説明書きだけ見ると、 近年の国内情勢に関する話題がほとんどなのかなと気がしてそのつもりで読み始めましたが、実際にはそれに加え、サブタイトルの通り、「法哲学入門」のテイストがこちらの想定よりかなり多かったです。
リベラルのことは嫌いでも、リベラリズムは嫌いにならないでください--井上達夫の法哲学入門
- 作者: 井上達夫
- 出版社/メーカー: 毎日新聞出版
- 発売日: 2015/06/15
- メディア: 単行本
- この商品を含むブログ (18件) を見る
近年の「リベラル」というものは言葉を選ばずに言えばかなり残念な感じになっており、もはやリベラルとは名ばかりの単なる(自主規制)だったりもするように感じますが、この本は法哲学の土台から解説していくことで、リベラリズムであるとかその周辺の哲学的な理論に触れられる1冊となっております。
本書の中には、天皇制や憲法、安全保障など現代社会への筆者の意見・提言がしばしば見られ、個人的には賛同しない内容もあったのですが、特に理論が破綻しているわけでも、どこか別の国の国益を考えているわけでもなく、傾聴に値するものだったと思います。筆者のようなまともな左翼が増えてくれればいいんですがね。「自称リベラル」じゃなくて。
続編の「憲法の涙」もまた読んでみたいと思います。
憲法の涙 リベラルのことは嫌いでも、リベラリズムは嫌いにならないでください2
- 作者: 井上達夫
- 出版社/メーカー: 毎日新聞出版
- 発売日: 2016/03/15
- メディア: 単行本
- この商品を含むブログ (8件) を見る