多少グロい話はでてきてしまうのですが、それでも読んでいて不快感が出ないのは、仕事や故人に対する著者の姿勢、ならびに著者の感性、文章力による部分が大きいと思います。
このような最期を迎えてしまう方々は、その人生のどこかで歯車が噛み合わなくなってしまった場合が多いですが、明日は我が身かもしれません。
著者もそうした思いを持ちながら仕事をしているように感じられますし、読んでいる私達にもそういう思いが湧いてきます。
一つだけ残念なのは、著名人に解説文を書かせてしまった出版社と、それを断らなかった養老孟司氏ですね。
氏のコメントにもある通り、解説文など必要のない著作です。
言語明瞭で思いの伝わる作品で、もし今後こういったことが身の回りで起きたらどうするべきか、あるいは自身の生き方、死に方などを考える契機になる本だと思います。