raisinpanの日記

読んだ本とか、思ったこととか。

【読んだ】陰謀の日本中世史 / 呉座勇一 (角川新書)

わたくし、あまり歴史には詳しくなく、登場人物の中には存じ上げない方も各所に出てくるので、本編の内容をきちんと咀嚼できてる気はしないのですが、とにかく終章だけでもかなり刺さりますし、そこだけでも読んでいただきたいです。

 

終章では、因果関係の特徴がまとめられていて、因果関係の単純明快過ぎる説明、結果から逆行して原因を引き出す、挙証責任の転嫁(悪魔の証明)といった因子が挙げられます。

現代社会でも思い当たる節が多すぎます。

根拠薄弱で無理筋な論に固執するのはその人だけの問題で済めばまだしも、「フクシマには人が住めない」みたいな特定の属性の人々に対する呪詛、誹謗中傷につながると極めてタチが悪いので、なんとか悔い改めてもらいたいものですが、なかなかそうはいかないものなんですよね...

何か新しい説に触れたときには、上記のポイントで何か引っ掛かるところがないかを確認し、その説が信頼に足るものがどうかを慎重に判断したいものです。

 

陰謀の日本中世史 (角川新書)

陰謀の日本中世史 (角川新書)