raisinpanの日記

読んだ本とか、思ったこととか。

【読んだ】永遠のPL学園: 六〇年目のゲームセット

 今日この本読んだんですよ。そしたらちょうどこんなニュースが飛び込んできていやはやなんとも...

www.sankei.com

 

 3代目が会社を壊す、なんて言ったりしますけど、PL教団についてもそんなところがあるようですね。2代目教祖御木徳近(1900-1983)の時代に野球部はかなり発展し、2代目が監督の選定に関与していた時代にPL野球部の監督に就任した中村順司氏の時代に黄金期を迎えます。

永遠のPL学園: 六〇年目のゲームセット

永遠のPL学園: 六〇年目のゲームセット

 

 中村氏の監督在任期間は1980年から1998年まで。後任の選定にもひと悶着あり(詳細は本書にて)、その後、少しずつ歯車が狂いだしてくるんですね... また、世の中の変化なのか、部内の暴力事件も次々と明るみに出て自粛や出場停止も相次ぎ、学校側から見ても野球部に力を入れるべき理由が失われていきました。

清原が「暴力はPLの伝統」と語るなど、昔から部内暴力はあったようだし、比較的最近PL野球部に在籍していた選手も「暴力がPLにしかないとは誰も思ってない。強豪高校から声がかかるレベルの選手であれば自然と情報は入ってくる」といった趣旨の発言があり、他校にも似たような話があることをほのめかしています。であるがゆえに部の体質改善にも難儀した様子が描かれています。

 

また、PL教の信者の減少や、3代教祖御木貴日止の病気の問題(妻が事実上実権を握り権力構造に問題が発生している)という逆風も、状況の厳しさに拍車をかけています。本書では、2年にわたる取材で、PL野球部の勃興、栄光の日々、そして、十分な指導も受けられず、野球のために転校することもできたにもかかわらずPLに残って最後まで戦い抜いた最後の代、62期生にも、的確にスポットライトを当てていて、どこを読んでも非常に印象深いです。絶対読んだほうがいいやつです。