raisinpanの日記

読んだ本とか、思ったこととか。

【読んだ】現在落語論

昨年末に読んだ本ですね。

落語は観に行ってみたいと思ってはいるもののなかなか行動に移せていない案件のひとつですねえ。

まだ二つ目でありながら精力的な活動が各方面から評価の高い筆者の、冷静かつ熱量の高い著作です。

現在落語論

現在落語論

 

 

非常にテクニカルなことも多々書かれており、私とは違って落語に対して十分な理解のある方が読むと、より一層楽しめて、かつ学びのある1冊となると思います。

 

落語に対して理解の乏しい私がこの本で強く印象に残ったのは、徒弟制度とそれが崩壊した漫才/お笑いとの対比ですね。漫才やコントなどで実力や知名度を上げてきた芸人が落語界に殴り込み、いきなり高座に上がってしまう。それを大手芸能事務所がバックアップする、なんてことが起これば、良い悪いは別として落語界のエコシステムは大きく揺らいでしまう。需要と供給のバランスが崩れて供給過剰になってしまうと食いっぱぐれる落語家を大量生産することになってしまう。お笑い界は「ひょうきん族」「おかげです」「やるやら」「ごっつ」(みんなフジテレビだ...)を見て育った当時の若者達がお笑いの世界にはとても多く、なおかつそれらの番組に出ていた芸人達も未だに現役で、上がつっかえまくっている現状があります。そんな風にならないような生態系を構築して、時代に合わせて上手く変化していってほしいなあと思うばかりです。

 

あー、落語見に行かないとなー。