哲学書ですねこれはもう。
この本は将棋の知識がなくても問題なく読み進めることができます。
あれだけの成果をなしてきた人物が、どのような思考体系を持っているのかということを垣間見ることができる1冊であり、そのエッセンスを取り入れることは大変有意義だと思います。
"論理的思考の積み重ねが思考スピードを速め、直感を導いてくれる。"
"あえて「考えない」時間を意識的につくることが大切”
”あえて「底を打つ」のもひとつの手だと思う。朝起きてブルーだなと思ったら、ずっとそのまま放っておく。あえて持ち上げることをしないでいると、その気分もいつか底を打つ。すると、あとは上がってくるしかない。」
など、参考になりそうなところ、心の支えになりそうなところが随所に出てきます。
本文中、様々な文献や著名人の発言の引用が出てきますが、将棋界の第一人者として様々な分野の著名人との対談を数多くこなしてきた著者の教養の深さが伺われ、またそれが決して嫌味にならないところに、著者の人徳が感じられます。
