地球の表面の7割は水分と言われていますが、実際に人間が使えるのはそのうちの
0.01%と言われ、その0.01%をめぐるお話。
水ビジネス 110兆円水市場の攻防 (角川oneテーマ21)
- 作者: 吉村和就
- 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
- 発売日: 2009/11/10
- メディア: 新書
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勉強になった点はいくつかあるんですが、一番印象に残ったのはバーチャル・ウォーターのところですかね。野菜、果物、穀物、肉類など、食物を育てるのにかかる水の量を割り出し、食料として間接的に輸入している水の量を計算するという考え方。原産国・地域で大きな災害・干魃があれば、日本にも食糧問題が発生するわけです。牛丼1杯で2000リットルのバーチャル・ウォーターが動いているというからただ事ではないわけです。
というわけで、我々が思い浮かべるよりもずっと多くの水が消費されている現代社会。
アメリカの第35代大統領ジョン・F・ケネディ(1917-1963)は次のように述べている。
「水問題の解決はノーベル賞2個分の価値がある。ノーベル平和賞とノーベル科学賞を受賞できるだろうーーー」と。(本文より)
一見有り余るように見えて、実は限られた資源である水。それをめぐる様々な動き、各機関の取り組み、我々が知るべきことの多くがこの本には書かれていると思います。