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raisinpanの日記

読んだ本とか、思ったこととか。

【読んだ】「暗黒・中国」からの脱出 逃亡・逮捕・拷問・脱獄 (文春新書)

これ誰か映画化しないかな?さすがに今の今では情勢がそれを許さないだろうけど、

いずれ時が来ればそういうことになるのではないかと、

また、 それが許されるような情勢に早くなってほしいと思いました。

 

 

中国の民主化運動に参加し、政府・共産党からの弾圧に苦しむ顔伯鈞氏の物語。

 

私はこの本を何の予備知識も持たずに読み始めたので、こういう本が出版できているということはハッピーエンドとまでは言わないものの、顔伯鈞氏を取り巻く状況はある程度落ち着いているのだろうと思って読み進めていたのですが、現在もタイに亡命中ということで、様々なストレスや制限の多い日々が続いているようです。

 

この本は顔伯鈞氏が自らの逃亡生活を綴った『天子門生逃亡記』を原作とした編訳ということになっているのですが、著者本人は亡命中、しかも内容は反政府的なものになるので、当然中国(語)では刊行されていないわけです。(そう言えば、香港の民主化運動の際に、中国の民主化を促すような内容の本を扱った本屋や出版社が中国当局に取り押さえられるなんてこともありましたね...)

 

本書の冒頭に「今後、有志の手によって本書の原作の完訳がおこなわれることを望んでやまない」とありますが、原書(中国語)で30万字以上の分量とのことなので日本語に訳すと膨大な量になりますし、タイ亡命中の出来事がさらに原著者によって書き加えられていれば、さらに増えることになります。この本を読んだ人の中から、それだけの能力を持ちとそれだけの労力をかけられる人が現れてほしいのと同時に、原典にあたれなければならないので原著者・顔伯鈞氏が無事でなければなりません。一見普通の前書きの一文であっても、強烈な思いが込められています。

 

原著者による中国語版が刊行される日が来てほしいと思うとともに、英語版が出て国際的に広く読まれると国際的にも影響が出ると思います。

 

いろんな意味で闇の深い1冊ですが、その割には読後感も重くなく、読みやすくまとめられた1冊です。是非お読みください。