この両者なくして本田技研なし、という1冊
この本は1986年に刊行され、
1973年に本田、藤沢両氏が本田技研を退社するまでの話が描かれています。
”このような折りに、昔の自慢話を世に出すことは、時宜にかなわないだけではなく、
関係方面にご迷惑をかけることにもなるのではないかと考え、いったんは刊行を
断念しようかと思いました。” (本文後書きより)
中途半端に古い回顧録の中には、
例えばてんで的外れな近未来予測が滲んていたり、
後々悲しいポシャり方をするものを持ち上げていたり、
あのころは良かったテイストになったり、
とにかく読んでいて辛くなるものがままあるのですが、
(実際、このブログを始めてから読んだ本の中にも
レビューを書いてないものがいくつか...)
この本はもう刊行から30年、本に書かれた時代からは40年以上も経過しており、
途中で発生するかもしれないモヤモヤに関しても時効が成立しており、
シンプルに内容を楽しむことができます。
今のタイミングでは気分的に読みづらいものでも、
もう少し時間が経つと読める回顧録も多々あるんでしょうね、と
読んでいて思いました。