近代の社会構造・権力構造の変化をまとめ、考察した本でございます。
「過度に集中した権力は危険だが、過度に分散し希釈された権力もまた、
無秩序と無政府状態をもたらすために同じくらい危険である。」
Brexit問題を見たあとの我々には、非常に重くのしかかる言葉です。
著書の中で権力の分散具合と社会的活力を示した逆U字型曲線が出てきますが、
上手く中庸というか、高いところに持っていけるよう、考えていかなければなりません。
もう一つBrexit絡みで言うと、
「イギリスの政治システムはきわめて安定している。」なんて表記が出てきます。
英語版が2013年、日本語訳が2015年刊行ですので、こうなるとは当然分からないわけですが、
今となっては「何を言うとんねん」と言う他ありません。
世界的に何か大きな出来事がある度に読み返して、答え合わせと言うか、
「あー、今回のこれはこういう流れから来てるものなのねー」とか、
確認しながら読むとまた楽しめると思います。