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raisinpanの日記

読んだ本とか、思ったこととか。

【読んだ】極貧球団

黒い霧事件」の影響もあり、選手の永久追放や西鉄の撤退により弱体化を余儀なくされた70年代のライオンズ。3年連続の日本一と時代を創った50年代、浮き沈みのあった60年代。西武に身売りした後に築かれた80年代、90年代の黄金期に挟まれた、平たく言えば”暗黒期”に光を当てた1冊。球団関係者も他球団の選手も「弱かった」と口をそろえて言ってしまうくらいなので、スポットが当たることは少ないですが、ネタには事欠かず、非常に読み応えがあります。

極貧球団

極貧球団

 

 

 

因縁や乱闘を煽るような態度、オフシーズンのアルバイト(TV出演などではなく、一般人がやるような地味なやつ。中には自衛隊に入隊した選手も!)、中卒・未経験の選手を練習生として採用したり、今では考えられないようなことが多々起こっておりました。私も含め、当時を知らない世代の人が読むと、自分の知ってるプロ野球の世界との違いに驚かされること間違いなしです。

もちろん、当時の成績やプレー、経営状況など、”本線の”内容も充実しており、いま他の媒体で読もうと思ってもなかなかたどり着けない話題にあふれているので、是非多くの人に読んで欲しい作品です。

【読んだ】誰が「橋下徹」をつくったか ―大阪都構想とメディアの迷走

著者は橋下徹氏に対して、良く言えばスタンスが明確で、悪く言えば偏っているところもあるように感じられます。本書の内容すべてを鵜呑みにするのは違うかな、とも思いますが、肝となる橋下氏のメディア対策、およびメディア側からの橋下氏の扱いについては、読ませるところがありましたね。

誰が「橋下徹」をつくったか ―大阪都構想とメディアの迷走

誰が「橋下徹」をつくったか ―大阪都構想とメディアの迷走

 

 

 

メディアを上手く利用していたようにも見えた橋下氏でしたが、 存在感を出すためなのか、元々単にお調子者なのか、余計なことを喋りすぎましたよね。慰安婦問題だとか脱原発だとか、大阪府/市政に関係ないことにいっちょ噛みしすぎました。大阪府/市政に特に成果が上がらないうちから国政を意識した発言をするのもいかがなものかと思っておりました。大阪の既存の政党にも問題があり、「既存政党vs橋下氏(維新)」であれば橋下氏(維新)に勝ち目があったように見えましたが、都構想の住民投票なんかは「橋下徹◯か☓か」みたいに見え、そうすると「☓」がついちゃうんだろうな〜。と他県から眺めておりました。住民投票敗戦後の政治家・橋下徹の"潔さ"に、氏への攻撃姿勢を抑えたメディアに、結局ネタ供給源としての橋下徹への愛着を感じましたが、メディアとしてそれでいいんでしょうかね?

【読んだ】新版 集団的自衛権─新たな論争のために

 2001年にPHP新書より刊行された『集団的自衛権―論争のために』の増幅版で、旧版の内容はそのままに2012年までの本件に関する動向・論考を追ったものになります。

新版 集団的自衛権─新たな論争のために

新版 集団的自衛権─新たな論争のために

 

旧版部分も含めて、間違いなく良著なのですが、まあいかんせんタイミングが悪いw

旧版の原稿が締め切られた直後に小泉政権が誕生し、土井たか子議員が「小泉氏は集団的自衛権について、憲法解釈を変更して、その行使を認めることを検討すべきだとしているが、いままでの政府見解はどうか。また憲法解釈を変更して集団的自衛権の行使を認めることは許されるのかどうか」と政府の「統一見解」を求めるなど、本件について進展がありそうな気配となった。現に、本書では小泉政権を経て集団的自衛権行使容認が赤信号から黄色信号になったと評している。そして、本書が刊行されたのが2012年7月。あと2か月待てば安倍晋三自民党総裁に復帰し、その年の年末には民主党政権が終わるというタイミング。2012年12月の選挙期間中にでも読めば、その時点までのおさらい、集団的自衛権に対して各読者がどう読み、投票行動にどう影響するか、というのがあったでしょうが、それより後になって読む分にはなんとも間が悪い感じがします。

 

戦後しばらくの間は、憲法9条や国力の不足で自前で武力を持たないことを正当化することができましたが、国内外の情勢の変化や、議会・社会党左派勢力への対応を迫られるうちに国際的には通用しない詭弁を用いるようになり、読み進めるうちに筆者の不満が陰に陽に伝わってきます。できれば第2次安倍政権を経て黄色信号が青信号になった現状をまとめてほしいですが、著者も80歳を過ぎ、本書のあとがきでも”何年かののちには新・新版を書けといった注文が舞い込むかもしれないが、それだけは御免蒙りたい”と釘をさしてあるので、難しいのでしょう。とは言え2014年にまた集団的自衛権に関する著作を書いているので、そちらも読んでみたいと思います。 

いちばんよくわかる集団的自衛権

いちばんよくわかる集団的自衛権

 

 

【読んだ】「権力」を握る人の法則 (日経ビジネス人文庫)

 もうみんな大人なんだから、頑張ってれば結果は出る、みたいな呑気なことを言うのは止めて、賢く、適切な立ち居振る舞いが出世や自分が求める結果を出すのに必要だということを認識しましょうよ、というお話ですね。

「権力」を握る人の法則 (日経ビジネス人文庫)

「権力」を握る人の法則 (日経ビジネス人文庫)

 

 

 

個人的に一番印象に残ったのは、「周囲が自分に対していい印象を持っていない環境からは早く離れて、新しいところで頑張ったほうがいい」という趣旨の記述ですね。損切りが大事ってことです。いじめられてる子がクラスの中でポジティブな存在感を持つ存在に変われるのは物語の中の話で、なかなかないことだからこそ物語になるのです。逆に、高校デビューとか大学デビューとか言ったりしますが、環境が変わるからこそ輝ける環境を見つけることができる、という側面もありますよね。「置かれた場所で咲きなさい」なんてことを言う人もいるようですが、我々人間は基本的に動けるわけですから、やはりより良い環境を求めて動くべきだと思いますよ。

置かれた場所で咲きなさい

置かれた場所で咲きなさい

 

 

 

で、どう動くべきなのか、というのが解説されているわけです。人脈形成だとか評判を高めることであるとか。凄い実例も出てくるので書かれている内容には取り入れられるところとそうでないところとあると思うのですが、できる範囲でやっていったら自分の環境を変えられるかな?と思いました。

【読んだ】田舎暮らしに殺されない法 (朝日文庫)

 1943年生まれの著者が、自分より少し年下の団塊の世代に向けて諭すようなトーンで書いており、無駄に説教臭いです。 とは言え、本書の論旨自体はまっとうなものだと思います。

田舎暮らしに殺されない法 (朝日文庫)

田舎暮らしに殺されない法 (朝日文庫)

 

 

都会で疲れたから田舎でゆっくり暮らしたい?ていうか都会で疲れたってそんな大した仕事してたの?もしそうなら仕事のやりがいとか人脈とか経験とか活かしてやれることあるよね?てか実際職場で自分のうだつの上がらなさに向き合わなきゃいけなかったのが辛いだけだよね?そんな奴が田舎暮らし始めたってうだつが上がらないのは変わらないよ?大体酒とかタバコとか自ら健康を害するようなことやってっから疲れるんだよ。田舎は生活環境整ってないし謎のローカルルールはあるし、余所者が入り込もうったって病むかつまはじきにされるかが関の山だよ。田舎への移住を止めますか?それとも人間やめますか?

という感じの文面で、読み始めた当初は説教臭さが鼻に付くのですが、だんだんぶっちゃけ過ぎてきて笑えてきます。写真とか映像で田舎の風景を見ると良く見えたりするものですが、それはいいように切り取っているからというのはもちろん、ちょっと見れば十分なものだったりします。例えばどこかの田舎の光景を映した30分の番組があるとして、それ以上長時間の番組を作ろうとするとどこかに粗が見えてしまうんですよね。田舎暮らしに幻想を持たないようにするには、いろんな所に旅行をするのが一番だと、旅好きの私としては思います。何時間もかけて出かけたのに、「あれ、こんだけ?」という体験や、バスに乗り損ねて何時間も待つ経験とか、そういうことをしておくのが正しい田舎との接し方だと思います。

【読んだ】ベトナム戦記 (朝日文庫)

党派性をほとんど感じさせずに描写しているのが印象的ですね。

それを読み取るだけの読解力が私にないだけでしょうか?

ベトナム戦記 (朝日文庫)

ベトナム戦記 (朝日文庫)

 

 

もし今の世の中で、小説家が、あるいは朝日新聞社の臨時特派員が世界の紛争地帯で取材をしたら、絶対もっと”色”が出ると思うんですよね。気がついたらその紛争地帯と関係のない安倍政権批判が延々と語られる、みたいなのが容易に想像がつきます(苦笑)。1964年にベトナムへ赴きその翌年に本書が刊行されているのですが、当時の朝日新聞はどのようなスタンスだったのでしょうか。当時を知らない世代としては気になります。朝日新聞に対するイメージというと第2次大戦中や現代もそうですが、極端というかスタンスが明確というか、というイメージです。偏見持ちすぎでしょうか?w

開高氏のwikipediaの記述を見ると、帰国後ベ平連にて反戦活動に参加するもベ平連内の反米左派勢力と反発して脱退、その後保守系の立場を取った、とあるので、執筆当時はどちらかと言えば左寄りなスタンスだったかと思いますが、今どきの左派の感じとは随分違う印象を受けました。

【読んだ】仁義なき宅配: ヤマトVS佐川VS日本郵便VSアマゾン

色々考えさせられますね... 世知辛いっす...

「激務だけど稼げる」から「激務なのに薄給」へ... 

 

 

「送料無料」というのは買う側からするとやはり非常に便利なわけで、つい使っちゃうわけですが、じゃあ実際そのコストは誰が、どこが負担しているのか。大口顧客との契約で宅配業者が割を食ってる現状がはっきりと描かれます。宅配業に限らず、消費者意識が高くなり過ぎて細かなクレームにも神経を尖らせなければいけなくなったり、現役世代の所得水準が下がっていたり、他の業界については全く書かれていないにも関わらず、そんなところまで思いを巡らせてしまいました。現代社会の闇を見るようです。

アルバイトで現場潜入すると(てか、採用するほうもするほうだよな...)、仕分け作業では外国人労働者が多く、日本語が通じにくい環境になっているというのもいかにも現代っぽい... んー...

いち消費者としては利便性を損ないたくはないですし、かといって働く側のことを思えばこのままでいいわけはなく... そうすると近年のタワーマンションブームもそうですが、住宅政策に手を入れて、限られた地域にある程度密集して住むようにするのがいいのかなとも思ったり、ドライバーの巡回する区域が狭くなればそれだけ負担は減るわけで。あとは時間指定したらちゃんとその時間家にいることですね。

この本を読んでて一番面白かったのは、宅急便の父・小倉昌男が著書で書いていることにツッコミを入れてるところですね(笑)。宅急便はアメリカのUPSにヒントを得たという記述に対して時間軸のズレを指摘したりw 回顧録の類はどうしても書きたくないことがあったり、自分を美化したくなったりするものですw